乳がん闘病記の著者、中村三穂さんのプロフィール用ポートレート撮影
今日は私の友達をご紹介させてください。
中村三穂さんです。
三穂さんは高校の同級生。
高校時代の彼女はバスケットボール部に所属し、小柄な体でもエネルギッシュにコートを駆け回っていました。
そんな元気いっぱいのイメージだった彼女が乳がんを患っていると知ったのは7年前、同窓会で同級生に聞いた彼女の近況からでした。
しかし同窓会活動の期間中、何度か姿を見せてくれた彼女に、私から積極的に話しかけることはできませんでした。
乳がんを患っていることに触れてしまいそうで、それは三穂さんを辛くさせるかもしれないという不安があったせいかもしれません。
三穂さんから思いがけない連絡をもらったのは、それから2年後の2018年のことでした。
カメラマン活動を始めたばかりのころです。
彼女のポートレートを撮ってほしいというご依頼でした。
気がかりだった乳がんの病状も落ち着いているのだろうと思って安心しました。
ところが、私の方の突発的な事故により、撮影をドタキャンしてしまったんです。
三穂さんに申し訳なくてしばらく落ち込みました。
せっかく私にご依頼してくれた三穂さんを落胆させてしまった。
彼女に合わせる顔がない。資格もない。
彼女とのご縁もこれで終わりだろうと、このときは覚悟していました。
そんな経緯があったのに、今年の6月、三穂さんから再度の撮影依頼をもらったのです。
電子書籍を出版することになったので、本の帯に使うポートレートを撮ってほしいとのことでした。
涙が出そうでした。
今度こそ必ず三穂さんの期待に応える。
三穂さんに喜んでもらえる写真を絶対撮る。
ポートレート撮影から3か月後の8月29日、
心待ちにしていた三穂さんの電子書籍が出版されました。
【がんとのつきあい方: 知っていれば気持ちがラクになる】中村三穂 著
ステージ3C、進行性・浸潤性乳がんにり患した中村三穂さんの、がんが消滅するまでの闘病記です。
無料ダウンロード開始を待てず、すぐにダウンロードして一気に読みました。
何度も読み返しています。
乳がんの告知を受けた三穂さんが、落ち込んで不安に押しつぶされそうになりながらも、自分の気持ちを受け止め、冷静に現状把握と分析をしていく様子。
自らの意志で治療を選択し、自分と治療効果を信じ切って辛い治療を乗り越え、がんが消えるに至った8年間の長い道のり。
克明に記されたその時々での心の持ちようは、乳がんに関わらず、がんと闘っている多くのひとに勇気と希望を与えてくれるはずだと思いました。
実は私も2019年に子宮頸がんが発覚、初期ではありましたが子宮全摘手術を行い、転移もなく完治して現在に至っています。
主治医から、私の状態なら部分的な円錐切除をほとんどの方が選び、子宮全摘はオーバートリートメントであると言われました。
しかし、部分切除では患部を取り切れない可能性があること、切除後も子宮頸がんや子宮がんを発症する可能性があることを考え合わせると、私にとってはそれら二つのリスクが無くなる子宮全摘手術の一択でした。
納得しての手術だったので後悔していません。
今でもベストな選択だったと思っています。
自分で治療を選択したという点では、三穂さんと同じ。
ところが、「起きることにはすべて意味がある」という三穂さんの魔法の言葉を読んでハッとしました。
私の場合は運よく初期のがんを切除できたことで不安が解消し、一件落着したと思っていました。
黒歴史に名前を付けて保存しておしまい。
私は自分の身に起きたことの意味を考えなかったし、それを理解してチャンスに変えることをしていなかったのです。
がんにり患したこと以外の、これまで降りかかってきた様々な困難に対しても同様でした。
それに、本書に書かれている「原因と結果」「人生は思い通りに運ばれる」という言葉が私の心に突き刺さりました。
私に起きた辛い状況は、私の考え方生き方の結果であるのに、自分を省みずに誰かのせいにして、心に滓を溜めていることに気が付いたんです。
今までの生き方や考え方を変えなければ、私の黒歴史と心の滓は増えていく一方。
人の目に映している「前向き」な私は本当の私なんかじゃない。
このままではこれから先も、「本当の自分を生きる」ことなどできるわけがない。
三穂さんの本は、私に大切な気づきと学び、そして課題を与えてくれました。
すぐに心がけようと思ったのは、
「過去を悔やみ未来を心配せず、今できること今やりたいことに集中すること」
そうすればネガティブな感情に支配されがちな私でも、
「不安が消え気持ちが前向きになっていく」
そう思えるようになりました。
「いちばん大切なのは幸せに暮らすこと」
「あなたが幸せでありますように」
涙が出ました。
三穂さんありがとう。
ステージ3C、進行性・浸潤性乳がんにり患するという過酷な状況に向き合い、勇気をもって立ち向かった三穂さん。
考え方生き方を変え、ひるまず前向きに自分を信じてがんを消滅させた三穂さん。
三穂さんが、強くしなやかに今を生きていてくれることを心から嬉しく思う。
何度でも言うけど、三穂さんありがとう。
友達でいてくれてありがとう。
中村三穂さんの本【がんとのつきあい方:知っていれば気持ちがラクになる】は、がんを患っている方だけでなく、ストレスや不安を抱えて生きづらさを感じているひとにとっても力になってくれます。
下記リンク先Amazonのページでご購入いただけます。ぜひお読みください。