川筋/彦山川1・田川郡大任町と添田町の境
今日、彦山川沿いの道路を車で走っていると、川の中州にススキが群生する風景が目に飛び込んできた。
ふいに、「川筋(かわすじ)」という言葉が頭に浮かんだ。
川筋とは、川の水の流れる道筋、川沿いに続く道、または川に沿った土地という意味がある。
Googleで検索すると、現在一番最初に出てくるのは、現代ビジネスのWebページから抽出された強調スニペット。
(川筋気質とは)筑豊を流れる遠賀川の川筋に生きる人たちの気性を表す言葉で、「理屈をこねない」「竹を割ったような潔い性格」「宵越しの金を持つことを恥とする」といった特徴があげられる。 こうした気質は、筑豊の炭鉱で働く男たちの生き方から生まれた。(現代ビジネスから引用)
筑豊の田川で生まれ育った私にとって、川筋の川とは遠賀川ではなく、田川を縦断して遠賀川に合流する彦山川のほうがしっくりくる。
全国的にも有名な川渡り神幸祭も彦山川で行われるし、大雨で真っ先に心配するのは彦山川の氾濫。
しかしながら、これまで「川筋」という言葉を特に意識したり、この地域に生まれ育ったことを自覚して生きてきたわけではなかった。
なのになぜか、
川筋を、この風景を私は撮らないけんと、変な使命感が沸き起こった。
しかし、都合よくカメラが車にあるわけもなく、モチベーションが下がらぬうちにと家に引き返し、レンズ2本とカメラを準備、急いで戻って撮影した。
なんなん!
ススキがこんな輝いとうのに、これを日々見逃しとった自分にがっかり。
ガードレールに寄りかかってカメラを構える私のことを、仕事帰りの時間帯に通りすがった車中のひとたちは、
「なんしよんやろ」
と、いぶかったろう。
いつも見慣れた、変わり映えの無い、ススキが群生した川の景色を撮りよう私を見て。
川筋の、見慣れた風景のなかにこそ、日頃気づかない魅力があることに、気付いてもらえたらいいのに。
そんな気持ちで撮った。
「なんにもない田川」と私は言いたくない。
ちょっとがんばって撮ろう。