西日本で記録的大雨2018.7.6/田川
2018年7月6日、西日本を襲った記録的な大雨は、私が住む田川も例外なく水浸しにしました。
台風7号が福岡に接近した7月3日は、強い風と雨に悩まされましたが、大した被害も無く、7月4日は台風一過で、夏の日差しが戻ったかのような一日でした。
しかし台風の置き土産のような活発な梅雨前線の影響で、7月5日には雨が戻り、終日降り続けました。
そして7月6日。
夜中じゅう降り続いた激しい雨は朝になっても止まず、仕事で宗像市に出張予定であった息子を私は不安な思いで見送りました。
出張先へ移動途中の息子から送られてきた写メには、水位が増した彦山川が写っていました。
(彦山川 田川市伊田)
私の不安を知ってか知らずか、息子は川を通るたびに写メを送ってきました。
(彦山川 福智町)
この川の水位が橋の上まで来たら…
(遠賀川)
息子は無事に帰ってこられるんだろうか
そんな不安に苛まされている間中、スマホからは緊急速報が鳴りっぱなし。
気象情報を何度見ても、状況が好転する気配はありません。
お昼をまわったころ、息子から勤務先に戻ったとの一報をもらったときは、肩の力が急に抜けたようになって心から安堵しました。
しかし安心するのはまだ早いと、我に返らせてくれたのは鳴り響く緊急速報でした。
田川市郡の各自治体からの緊急速報は、避難準備・高齢者等避難開始から避難勧告に変わり、とうとう避難指示(緊急)が発令。
田川市の自宅は比較的高台にあり、川からは遠いし、土砂が崩れるような斜面も周りにはありません。
息子が帰ってくるまでは、このまま外に出たりしないのが一番安全と引きこもりを決めました。
(7月7日の彦山川 大任町)
断続的に降る雨は止むそぶりも見せません。
このまま降り続いたら、彦山川が氾濫して昨年と同じ甚大な被害が出るのでは…
とうとう福岡県に大雨の特別警報が出て、緊張感もマックスに。
ガレージに息子の車が入ってくる音が聞こえたときは、涙が出そうでした。
ほんとに。
母がこれほど心配しているのをよそに、とうの息子はあっけらかんとして、
「避難?大丈夫っちゃ、せんでいい」
おいおい、その「大丈夫」の根拠は?根拠のソースは?
問い詰めたいのをぐっと我慢し、無事に帰ってきたことに感謝しながら、努めて明るくご飯を食べさせました。
懐中電灯、電池、満タンのスマホとモバイルバッテリー
断水のときのために浴槽に水を張って、大きな容器にも水を溜めこみ、クリスマス用のキャンドルとライターまで用意して。
雨音に耳を澄ませながら、今夜は徹夜かと思いつつ、いつのまにか寝落ち…
ああ情けない。。。
はっと気が付いたら窓の外はぼんやりと明るく、雨が、雨が止んでいました。
あーーーー。よかった。
7月7日は、朝から緊急速報がまた鳴り響き、今度は何!?びくっとしましたが、避難指示や避難勧告解除の通知でした。
ウチの被害はありませんでしたが、外に出なかったので周りの被害状況はわかりません。
電車の運休、高速道路が通行止め、土砂崩れ、道路の崩落、浸水。
ネットや友達から入ってくる情報は、あちこちに被害が出ているようでした。
そのなかでも、5日6日と役場に泊まり込んで、災害発生時の対応に備えていた添田の友達の話には身がすくみました。
「あと1時間降ったらダメでした」
6日の夜23時過ぎに彦山川氾濫注意情報が解除になって安心したけれど、あと1時間長く降り続いていたら。。。
ぞっとしました。
(7月7日の彦山川 大任町)
日頃見ているゆるやかな流れの彦山川が、堤防を越えて荒れ狂い、田んぼも畑も、道路も家も襲った昨年の悪夢が繰り返されたかもしれないなんて。
最悪の事態は免れたとはいえ、あちこちの土砂崩れの修復や倒れた樹木の撤去作業など、もとの日常を取り戻すためには多大な時間と労力がかかるわけです。
昨年から、長い時間をかけてやっと復旧させたものが、この大雨で、一瞬にして崩れ去ってしまう。
これほど悔しいことはないと思います。
人間は自然の前ではほんとうに無力です。
そしてこの大雨は、九州だけでなく、岡山や広島、それ以外にも各地で甚大な被害をもたらしていると報道されています。
とにかくこれ以上、被害が拡大しないことを心から祈っています。
最後に。
私が引きこもりを決め込んで、心細いとはいえ家の中で過ごしている間
自分の家も心配なはずなのに、役場に連日泊まり込んで任務を全うしてくれたトシくん。
お疲れさまでした。
みんなのためにありがとう。